林檎泥棒

林檎泥棒になりたかった

銀河鉄道の夜

人生にはいろいろな悲しみがあって、今日の私の悲しみは大好きな友達に私の病気についていろいろと言われたことだった。

今の私の状態、回復する方法、私に必要なことなど。まるで主治医かのように。指導する立場かのように。

それを話されている間、私は遠くを見て内容をできるだけ頭に入れないようにして機械的に相槌を打っていた。

やめてほしいときにやめてというのは難しい。

それはあなたが口を出すことではない、私はあなたに指示をしてほしくてこの話をしたのではなく、お互いの近況報告としてこの話をしたのだ。何か病を患っていたり不調を抱えている人に、専門家ではない人間が自分の体験談でアドバイスをしたり意見をぶつけるのはとても危険だと。

遮って言えたらよかったし、今からLINEで言っても遅くない。

でも、好きな友達だからそれを丁寧に伝える方法やその上で友人でいたいことをうまく伝えること、相手の反応を思うと私の気力と勇気はそれに耐えられなかった。

そこまでの友達だったらこれで縁を切っていたと思うが、わりと大事な友達だった。

かと言ってこれを飲み込んで今後も過ごせるかわからない。

 

好きな実況者が歌う銀河鉄道の夜を聴いて帰った。

心を少しまろやかにしてくれた。